ハーブの歴史後編 ― 近代医療 VS 伝統医療 ―
ハーブの起源と歴史を前回のコラムで紹介しました。
世界四大文明後、世界各国の医師達がハーブについての研究をすすめ
ハーブを使った伝統医療は様々な国で使われるようになります。
1492年頃コロンブスがアメリカ大陸を発見するとヨーロッパで大航海時代が始まります。
スペイン、ポルトガル、イギリス、オランダなど各ヨーロッパの国々がイスラム勢力が
支配する中東地域を避けた航路を開発するのに夢中になるのです。
この時重要な交易品の一つが’ハーブ’ でありました。
富を運ぶ貿易品 ‘ハーブ’はより品質の良いものそして上質な最高なハーブを
確保するために各国の競争は熾烈を増しました。
この時代に高く取り引きされたハーブは胡椒、シナモン、クローブなどのが人気で
その理由の一つには宗教的な迫害を受けてアメリカ大陸に渡った移民者などに
ハーブは需要があり大きな交易品として人気を博したのです。
その後はハーブやスパイスを使った多種多様な商品が生まれ
飲料食品メーカーは大きく発展していくのでした。
そしてヨーロッパで人気のハーブを東洋で我先にと輸入しようとする国も次々と現れ
大きな貿易利権を争うようになり、18世紀を迎えイギリス、ロンドンで産業革命が起こります。
押し寄せる産業革命の時代、産業と化学は人々を熱気と活気の渦に巻き込み技術躍進するのです。
そしてこの波はハーブを使った伝統医療の衰退期へと向かっていくのです。
2-1 西洋医学の進歩 ― 産業革命後のハーブ ―
18世紀後半にイギリスで始まった産業革命も19世紀になると
他国へとその波及し技術革新や飛躍的な科学技術や産業効率が向上した。
医学も産業革命を通じて各種技術が目覚ましい発展遂げ、
これを発端にハーブと医薬品との線引きが大きく分かれる事になります。
研究者達は医療医学の進歩の為に伝統医療として人々が使用してきたハーブの研究を
盛んに行い植物研究を通じて西洋医学を各種薬の原料として使用し始めます。
この頃から植物やハーブの研究は盛んに行われるようになり
各種効能毎に化学成分を利用した新薬が開発され始めました。
2-2 ― 西洋化学進化で衰退の一途を辿るハーブ ―
植物の研究が進み人々は更なる医学の進歩を試みます。
鎮痛剤として有名なアスピリンは西洋医学の代表です。
各種抗生物質の開発が盛んになり人々は抗生剤や医薬品を
活用した治療法をもっと信じるようになります。
伝統療法は旧時代の終わりを象徴する「古い医療行為」
という風潮になってしまうのです。
そして産業革命から月日が経ち19世紀後半から20世紀初盤になると
更にハーブを利用した各種治療法は大きな衰退期を迎えます。
産業革命後も科学技術の進歩は進み次々と新薬が開発されるようになります。
人々はその新薬の即刻性にますます信頼をよせ更なる脚光を浴びる火種となるのです。
2-3 新世紀 ― 近代医学の発展そして伝統療法の後戻り ―
20世紀になり近代医学が主導した時代の姿が消えまた伝統医療を探す人々が増える傾向を見せます。
歴史は繰り返すのでしょうか?幾世紀にも渡る西洋医学の進歩に体への免疫力がついてしまったのか?
新世紀を迎える新しい世代のハーブのカタチとは?その新世紀を迎えた
ハーブの歴史を作っているのは間違いなく現代を生きる我々なのです。
18世紀から今現在まで近代医学の発達や飲料食品の流通や保管の進化と共に
私たちの中には間違いなく身体への「負」の蓄積も溜まってきているのだと我々は思います。
先人が作ったボタニカルの土台を今の時代の生活様式に
合ったカタチで無理なく皆さまが続けられると幸いです。